日本プロ囲碁界に望むこと

囲碁ファンが日本プロ囲碁界に望んでいるのは「国内戦の持ち時間を3時間に短縮」、「内弟子を取るプロ棋士には育成奨励金を」、「国内戦より世界戦優先の日程調整を」。「国内戦の持ち時間を3時間に短縮」、「内弟子を取るプロ棋士には育成奨励金を」は2年連続ベスト3に入っている。

今回のアンケートの回答結果はとても真剣で具体的な提言が多かった。囲碁ファンの意識とレベルが大きく上がっている証左。裏を返すとこれだけ危機的な状況に追い込まれた日本プロ囲碁界に囲碁ファンは黙っていられなくなっているということかもしれない。故・加藤正夫九段が理事長の時代に日本棋院の改革は大幅に進んだ。「大手合の廃止」「新昇段制度の導入」で実力主義が鮮明になり、弱い棋士の発言権は大幅に剥奪された。弱い棋士に優しかった日本棋院は変わり始めた。しかし世界戦で勝てる日本、強い若手棋士が続々輩出される日本を復活させるという施策は道半ば。既得権をなくしプロ棋士に意識改革を求めたところで日本棋院は加藤正夫理事長という強いリーダシップを失った。小林光一副理事長には加藤路線の継承を期待した。くれぐれも先祖帰りすることのないように。

テーマは棋戦時間の短縮(=棋戦の頭脳格闘技化)、強い棋士の育成(=世界戦で勝てる棋士の育成)、更なる財政改革(=スポンサー獲得に貢献しない棋士の強制排除)。今回のアンケート結果をよく見て欲しい。囲碁ファンは日本棋院に実行して欲しい改革のポイントを見抜いている。ファンの目はごまかせないのだ。最優先で取り組むべき課題は明らか。「国内戦の持ち時間を3時間に短縮」、「内弟子を取るプロ棋士には育成奨励金を」、「国内戦より世界戦優先の日程調整を」を是非今年実現して欲しい。

囲碁ファンの要望は年々大きく変化している。日本棋院に真に求められているのは、このような変化を敏感に感じ取る感度と時代をキャッチアップする変革力なのだ。小林光一副理事長のもと故・加藤正夫理事長の意志を継ぐ改革続行内閣が、ファンの声に反応し、改革を継続することを期待したい。

第1位 国内戦も持ち時間を3時間に短縮 18票 「3時間の碁と5時間の碁では時間の使い方が違う」(張栩)。世界戦に勝つためには国内戦の持ち時間を変更しては? ファンの目は厳しい。二日制の碁をなくせとはいっていない。しかし大勢は持ち時間3時間に賛成と見てよいだろう。前回は第1位(14票)。
第2位 内弟子を取るプロ棋士には育成奨励金を 10票 「"韓国の木谷道場"というフレーズが生まれ、出身者が大活躍している現状を考えれば、内弟子制度を奨励するのは有力だと思います。日本棋院の財政難は耳にしますが、この有力案をぜひ検討していただきたいと思います」(ユアン)。全国にいる囲碁神童を一ヶ所に集めて強い同士で切磋琢磨させる。日本復活にこのプロセスは欠かせません。前回は第2位(9票)。
第3位 国内戦より世界戦優先の日程調整を 7票 「韓国や中国では"国際戦>国内戦"という図式だけど、日本では"国際戦≒国内戦"。この位置づけを変えるだけでも結果が違ってくると思う」(Pam24)。世界一の日本を望む日本人はとても多い。"日本一"ではなく"世界一"であることに価値があるのです。前回は第10位(3票)。
第4位 世界戦勝利棋士には報奨金を 5票 日本一などと小さなことを言わず、世界一を目指して欲しい。世界戦に勝利し世界一に一歩でも近づけば報奨金がもらえる制度があっていい。世界戦で一つ一つの勝利を積み重ねること始めてほしい。世界戦勝利報奨金にスポンサーがつけば実現するのだが…。前回は第6位(5票)。
第5位 院生は通いを廃止し全寮制に 4票 「最近の院生はレベルが落ちてきているので、世界に対抗する意味でも囲碁漬けにして強くなってもらいたい」(007)。今年も大淵九段、高林六段の内弟子が入段している。内弟子は囲碁漬けの毎日を送っている。「通い」では甘い。「全寮制」にして囲碁漬けの中で院生をプロ棋士に育成しては? 前回は第8位(4票)。
第5位 プロ棋士の地方分散 4票 地元への囲碁普及活動、地元からの有望株の発見を担う棋士は底辺拡大に必要。本戦出場ができなくなったら地元に戻って、囲碁普及活動、有望株の発見活動をしてほしい。前回は番外。
第5位 強制引退制度の導入 4票 「もう勝てなくなったのにいつまでも現役にしがみついている棋士に対局料を払うのは、棋院の経営を圧迫する」(kan)。「著しく実力の劣る棋士の淘汰と危機意識を持つことで棋士全体のレベルの底上げと、経費削減による日本棋院の財務の改善効果も期待できるのでは?」(カミーユ)。前回は第3位(8票)。
第8位 内弟子が入段したら師匠に育成報奨金を 3票 次世代を担うプロ棋士の育成に力を入れている棋士はごく少数。プロ棋士の育成にはカネがかかります。そんな状況の中で2004年以降内弟子4人を入段させた大淵盛人九段には4000万円の報奨金を出しても良いのでは? 前回は第4位(7票)。
第8位 研究会対抗戦奨励、棋院に研究室を 3票 「日本棋界の研究不足ははっきりしてきた。そのために研究会に参加せざるを得ないような仕組みの導入を望む」(ミジンコ)。韓国の若手棋士は毎日のように棋院研究室で新手の共同研究をしているとか。この差は世界戦の結果からも明らか前回は第4位(7票)。
第8位 国内棋戦の一部をオープン化 3票 若手棋士を鍛えるには勉強もせずぬるい手しか打たない日本の中堅棋士より、研究を重ね厳しい手を打つ中国、韓国の棋士と打つ機会を増やしてやりたい。国内棋戦の全部とは言わないが、一部でも中国、韓国の棋士にオープンにして日本を鍛えてほしい。前回は番外。
[調査期間:2006年12月17日〜2006年12月30日、総投票数:98票]

参考:2005年の調査結果